コラム
毎朝の「ニコッ」で始まる1日 ~ AI笑顔判定システムを導入して1年4ヶ月
- 作成日:2025.10.14
- 更新日:2025.10.14
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すべては、1本のTV番組から始まった
2024年6月のある日、私(社長)はたまたまTVをつけていました。
映し出されていたのは、北海道のとある自動車教習所。そこでは「AI笑顔判定システム」を導入し、教官の指導が柔和になり、その結果として生徒数が伸びているという内容でした。
画面に映る教官たちの穏やかな表情。生徒たちの安心した様子。「笑顔」というシンプルなことが、職場の雰囲気を変え、さらには事業の成果にまでつながっている。
「これは素晴らしい!」
その瞬間、直感的にそう思いました。
「当社でも、これをやろう」
すぐに行動に移しました。
2024年6月19日、AI笑顔判定システム導入
翌日から、さっそく準備を始めました。
AI笑顔判定システムのアプリをスマホにインストールし、タイムカードの横に設置。2024年6月19日から、正式に運用を開始しました。
ルールはシンプルです:
毎朝、出社したら、タイムカード横のスマホに「ニコッ」とする。
AIが笑顔を判定し、100点満点で点数化されます。この点数は記録され、毎日の笑顔度が可視化されます。
点数のばらつき、それでいい
運用を始めてみると、面白いことが分かりました。
人によって、笑顔の点数が大きく異なるのです。
一発で80点、90点を取る人もいます。自然な笑顔が得意な人、明るい性格の人は、スムーズに高得点を出します。
一方で、何度笑顔を作っても10点、20点という人も…。真面目な性格の人、普段あまり笑顔を作らない人は、最初は苦戦していました。
「社長、これ、全然点数が上がらないんですけど…」 「何回やっても30点なんですけど…」
そんな声も聞こえてきました。
でも、それでいいのです。
大事なのは、点数ではない
このシステムを導入した目的は、「高得点を取ること」ではありません。
1日のスタートに、笑顔を作る練習をすること。
それが、本当の目的です。
製造業の現場は、正直なところ、常に笑顔でいられる環境ではありません。
- 納期に追われる日
- 品質トラブルが発生する日
- 難しい加工に頭を悩ませる日
- 思うように作業が進まない日
そんな日々の中で、つい表情が硬くなる。眉間にシワが寄る。無言で作業に没頭する。
それは仕方のないことかもしれません。しかし、そんな時こそ、意識的に笑顔を作る。無理矢理にでも、口角を上げてみる。
不思議なことに、表情を変えると、気持ちも少し変わります。
「難しいけど、頑張ってみるか」 「トラブルだけど、みんなで解決しよう」 「今日も一日、明るく乗り越えよう」
そんなふうに、前向きな気持ちになれる。
AI笑顔判定システムは、そのための訓練なのです。
毎朝の習慣が、職場を変える
今日は2025年10月14日。
AI笑顔判定システムを導入してから、482日が経過しました。約1年4ヶ月、毎朝続けてきたことになります。
最初は10点、20点だった人も、だんだんと点数が上がってきました。「笑顔を作る」という行為に、少しずつ慣れてきたのです。
それ以上に大切なのは、職場全体の雰囲気が明るくなってきたことです。
朝、タイムカードを打った後、スマホの前で「ニコッ」とする。その瞬間、自然と周りの人も笑顔になる。
「今日は何点だった?」 「お、今日は高得点じゃん!」 「昨日より5点上がった!」
そんな会話が生まれます。些細なことですが、その「笑顔」と「会話」が、1日のスタートを明るくしてくれます。
笑顔は、伝染する
面白いことに、朝に笑顔を作ると、その効果は1日中続きます。
作業中に難しい場面に直面しても、ふと朝の笑顔を思い出す。そして、もう一度笑顔を作ってみる。すると、不思議と気持ちが切り替わります。
また、一人が笑顔になると、周りの人も笑顔になります。笑顔は伝染するのです。
お客様が来社された時も、笑顔で迎えられます。電話での対応も、笑顔を作ってから話すと、声のトーンが明るくなります。
「笑顔」というシンプルなことが、職場の雰囲気を、そしてお客様との関係性を、少しずつ変えていきます。
点数が低くても、それでいい
改めて強調したいのは、点数は本質ではないということです。
毎朝、10点でも20点でも、それで構いません。
大切なのは、毎朝、意識的に笑顔を作る練習をすること。その積み重ねが、自然な笑顔につながり、明るい職場づくりにつながります。
「今日は30点だった…」と落ち込む必要はありません。笑顔を作ろうとしたこと、その行為そのものに意味があるのです。
健康経営の一環として
株式会社ツカダは、従業員が健康で働き続けられる環境づくりに力を入れています。
2025年5月20日の岐阜新聞でもご紹介いただきましたが、当社は「健康経営」を積極的に推進しています。
- 社内での水耕栽培による野菜の提供
- 花粉症の通院費の会社負担
- 日本健康会議の「健康経営優良法人」認定取得
そして、このAI笑顔判定システムも、健康経営の取り組みの一つです。
笑顔は、心の健康につながります。明るい職場は、ストレスの軽減につながります。従業員が笑顔で働ける環境こそが、真の健康経営だと考えています。
これからも、継続していきます
1年4ヶ月続けてきて、改めて感じることがあります。
継続することの大切さ。
最初は物珍しさもあって、みんな積極的に取り組みました。しかし、毎日続けることは、実は簡単ではありません。
「今日は忙しいから、笑顔判定は後で…」 「点数が低いから、今日はやりたくない…」
そんな日もあります。
でも、続けることに意味があります。毎日、たとえ10点でも、笑顔を作る練習をする。その積み重ねが、習慣になり、文化になり、職場の雰囲気を変えていきます。
これからも、継続して取り組んでいきます。
5年後、10年後、「株式会社ツカダは、いつも笑顔が溢れている会社だね」と言われるような職場を目指して。
笑顔で働ける職場を目指して
製造業の現場は、決して楽な仕事ばかりではありません。
精密な加工、厳しい納期、高い品質要求。日々、真剣に、時には厳しい表情で仕事に向き合っています。
だからこそ、意識的に笑顔を作る時間が必要なのです。
朝の「ニコッ」が、1日を明るくする。難しい局面で「ニコッ」とすることで、気持ちを切り替える。仲間と笑顔で協力し合う。
そんな職場を、これからも作っていきたいと思います。
おわりに:「笑顔」という投資
AI笑顔判定システムの導入費用は、それほど高くありません。スマホとアプリがあれば、誰でもすぐに始められます。
しかし、その効果は計り知れません。
- 職場の雰囲気が明るくなる
- コミュニケーションが増える
- ストレスが軽減される
- お客様への対応が柔和になる
- 結果として、仕事の質が上がる
「笑顔」という、一見シンプルなことへの投資が、これほど大きなリターンを生むとは、正直、導入前には想像していませんでした。
TVで見た北海道の自動車教習所に感謝しながら、これからも毎朝、チーム全員で「ニコッ」としていきたいと思います。
株式会社ツカダは、笑顔で働ける職場づくりを目指しています。
そして、笑顔で、お客様の製造パートナーとして、技術で貢献していきます。
P.S. あなたの職場でも、始めてみませんか?
この記事を読んで、「うちの職場でもやってみたい」と思われた方がいらっしゃいましたら、ぜひ試してみてください。
AI笑顔判定システムは、スマホアプリで簡単に導入できます。費用もほとんどかかりません。
大切なのは、継続すること。そして、点数よりも、「笑顔を作る練習」そのものを大切にすること。
小さな一歩が、職場を変えるかもしれません。
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