コラム
中学生が教えてくれた、本当の「改善」
- 作成日:2025.10.17
- 更新日:2025.10.17
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毎週金曜日の朝、始業からの30分間は「改善活動の時間」です。
5つのチームに分かれて、それぞれが工夫を凝らして取り組んでくれています。古い機械を塗装したり、台車をきれいに塗り直したり、棚を塗り替えたり――みんな、本当に一生懸命やってくれています。
でも、正直に言います。ずっと、違和感を抱いていました。
「壮大なことにチャレンジしてくれているのはわかるけど、なんとなく成果が見えにくい…」 「2ヶ月経ったのに、あまり変わり映えがしない…」
そんなふうに思っていました。
■ 中学生の職場体験が、すべてを変えた
一昨日、地元の中学生(男女各1名)を職場体験で受け入れました。
最初にやってもらったのは、こんな課題です。
「会社備品のスマホを渡すので、工場のきれいなところ、汚いところを撮影して、コメントを書いてください」
正直、どんな反応が返ってくるか、ドキドキでした。
でも、中学生たちは真剣に工場を歩き回り、たくさん撮影してくれました。
■ 鋭すぎる指摘に、ハッとした
褒めてもらえたところもありました。「ここはきれいに整理されている」「明るくて働きやすそう」――そんな言葉は、本当に嬉しかったです。
でも、それ以上に衝撃だったのは、彼らの「するどい指摘」でした。
- 「ここが汚い」
- 「コードで引っ掛かって危険」
- 「この棚の中、ぐちゃぐちゃです」
- 「この床、滑りそうで怖い」
純真無垢な目で見た、率直なコメント。
私たち大人には見えなくなっていた「汚れ」や「危険」が、中学生の目には、はっきりと映っていたのです。
■ 「いつもの風景」になっていなかったか?
今朝の朝礼で、このことをみんなに共有しました。
私たちは、「いつもの風景」に慣れてしまっていなかったでしょうか?
毎日見ている工場だから、気づかなくなっていた「汚れ」や「乱雑さ」。でも、中学生が「汚い」「整っていない」と感じたということは、これから工場見学に来てくださる新規のお客様も、同じように感じるのではないでしょうか。
初めて当社を訪れる方の目には、私たちの工場はどう映るのか?
この視点が、私たちには欠けていたのです。
■ 「厚化粧」になっていないか?
古い機械を塗装する、古い台車を塗装する、棚を塗り替える――これらは、素晴らしい取り組みです。みんな、本当によくやってくれています。
でも、です。
きれいに塗装された機械の横に、コードがだらしなくはみ出ていたら?
きれいに塗り替えた棚の中の工具が、ぐちゃぐちゃだったら?
それって、厚化粧して誤魔化しているだけ、ということになってしまうのではないでしょうか。
表面だけ取り繕っても、中身が伴っていなければ、意味がない。
中学生たちは、そのことを、私たちに教えてくれたのです。
■ もう一度、改善活動の意味を見直そう
今回、中学生に素晴らしい指摘をいただいたことを機に、改善活動の意味をもう一度見直そうと思います。
「見た目をきれいにする」だけではなく、「本当に働きやすく、安全で、清潔な工場を作る」
「お客様が初めて工場を訪れたときに、『この会社、しっかりしているな』と思ってもらえる工場を作る」
それが、本当の改善なのだと思います。
半年後、1年後――
「あの時の中学生に感謝だね!あれから改善活動が、とっても有意義なことになったね!!」
そう言えるように、チーム全員で取り組んでいきます。
■ 「外からの目」の大切さ
今回の出来事で、改めて感じたことがあります。
それは、「外からの目」の大切さです。
私たちは毎日同じ場所で働いているから、どうしても「慣れ」が生まれます。でも、初めて訪れる人の目には、私たちが気づかないことが、たくさん映っています。
だからこそ、外部の方が工場見学に来てくださることは、本当にありがたいことなのです。そして今回、中学生という「まっさらな目」を持つ人たちが来てくれたことは、私たちにとって最高の学びの機会となりました。
中学生のお二人、本当にありがとうございました。
■ これからも、学び続ける会社でありたい
当社は、プレス加工を通じて、日本全国のお客様に製品をお届けしています。
技術力はもちろん大切です。でも、それと同じくらい大切なのは、**「お客様目線で考える姿勢」**だと思います。
初めて当社を訪れるお客様が、「ここなら安心して任せられる」と思ってくださるような工場づくり。
それは、機械の性能や技術力だけでなく、工場の清潔さ、整理整頓、安全への配慮――そういった「当たり前のこと」の積み重ねから生まれるのだと思います。
中学生が教えてくれた「気づき」を大切に、これからも学び続ける会社でありたいと思います。
■ 工場見学、いつでも歓迎しています
当社では、お取引をご検討中のお客様に、工場見学をお勧めしています。
実際に設備を見ていただき、品質管理体制を確認していただき、私たちの仕事ぶりを見ていただく。それが、一番の安心につながると考えているからです。
そして今回の経験を通じて、改めて感じました。
工場見学は、お客様にとっても、私たちにとっても、学びの機会なのだと。
ぜひ、お気軽に工場見学にお越しください。お待ちしています。
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